
白神山地の世界遺産登録地域は秋田・青森両県にまたがっている。県境尾根を東西に歩くのを白神山地横断とするならば、青森から、秋田へ、またはその逆のコースは白神山地縦断の旅といえよう。白神山地を縦、横に歩きたいと思って計画していたら、秋田県側の白神遺産区域は核心地域が立ち入り禁止になっているという。白神山地には縦横に人が分け入った道がある。ほとんど消えそうになっているものばかりだが、藪漕ぎをしながら、足元にオオバコが群生していることに驚かされたりする。現代社会では殆んど顧られなくなった白神山地の道、白神古道の持つ意味を生態学的なスケールで掘り下げてみたいと考えるようになった。このブログのタイトにしている「白神古道の生態史観」研究の端緒となった旅である。この旅は核心地域を通過するので、津軽、米代西部両森林管理署に入山許可を得て行った。日出平洋太郎さん、高尾文雄さんのおふたりと三人旅だった。鹿内善三さんには終始、心暖まる強力なご支援をいただいた。深く感謝の念を捧げる。
9月20日(晴れ) 今回は弘前からタクシーで大川林道に入った。白神山地有数の険阻な沢、大川をつめるのだが、一日目の行程はすでになじみになったところである。林道終点から川原沢、大川、タカヘグリ、魚止めの滝を経てヒトハネ沢出合でテント泊。
http://picasaweb.google.co.jp/lh/photo/SyQ5SR7uOHci4yidKf516Q9月21日(曇り一時雨) ヒトハネ沢出合を出て、キュウベイの滝ノ沢の出合、自然堰止湖跡を経て、いくつかの小滝を越える。カチズミ沢の大滝を越えると、左に滝となって落ちてくる小沢。トッチャカ小沢と呼ぶことにする。深い沢のなかにもかかわらず、GPSに入力してきたルート(RT)のおかげで、現在地を失うことはなかった。トッチャカの岳の東に出たいので、この沢を行く。水が切れてからの草つき斜面はフエルト底の沢シューズでは滑って、なかなかたいへん。トッチャカの岳のやせ尾根の藪をこいで、尾根が広くなったところでテント泊。
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9月22日(曇りのち晴れ) 県境尾根を西に辿り、カチズミ沢のコルを目指す。ひとつ手前のこぶから善知鳥沢に下りる。広く、明るいが、長い沢だ。粕毛川を遡り、水沢越えの沢の出合でテント泊。
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9月23日(曇り一時激しい雨) 水沢越えの沢と名づけた沢を遡行。取り付き近くに左手、右岸に上る踏み跡が。しかし沢を行くことに。5メートルほどの小滝があったが、右側、左岸をまく。いわゆる草付のなか、フエルト底はよく滑る。しかし程なくコル。ここで無事下山を確信した。小松崎幸代子さんたちの9月の偵察のおかげで、尾根沿いの道が金山沢に続いていることが知らされていたからである。携帯電話が通じたので、鹿内善三さんに連絡。鹿内さんは親切にも林道終点まで迎えに来てくれていた。多謝。
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